現在婚約指輪(エンゲージメントリング)は、婚約成立の印として、通常男性から女性へ贈る指輪のことをさしていますが、もともと日本の習慣ではなく、欧米諸国伝来の習慣のようです。
古代ゲルマンの略奪婚はなど有名で婚姻形式には数種あり、諸説あるものの結婚および婚約指輪の起源と見なされているのは古代ギリシャの売買婚であり、これは妻をお金で買うという結婚習慣のことです。
婚約成立時、夫が未来の花嫁の父に代金を支払い、女性を生涯保護するその証として指輪が花嫁の父に渡されるというもので、妻の売買という習慣はその後の文明の発達により廃れてゆきますが、婚約が決まった時に婚約指輪を贈る習慣は生き残り現在に至っています。
なお、日本における婚約指輪の習慣受容についてですが、指輪文化の記録としては、江戸時代後期から徐々に長崎の出島に出入りしていたオランダ人の影響を受け、遊女や町人の一部が指輪を用いたという情報が最初のようです。
徐々に明治時代におきた西洋文化の流入によって東京では指輪をはめる習慣が見られるようになりますが、ほかの地域では19世紀初頭になっても普及せず大正時代にようやくその広告などみられるようになります。
1950年代あたりから婚約・結婚に関する指輪贈答の習慣が一般的になってきましたが、この頃には婚約指輪の石の特定はほとんど見られません。
現代のようにダイヤモンドが主流の婚約指輪となるのが確認されるのは1994年頃で、90%以上のカップルがダイヤの婚約指輪を贈っているもようです。
もともとは単なる「婚姻契約の印」だった習慣が時代を経て「最高の愛の証」となってゆくのは趣深いですね。
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